自転車通勤のダイエット効果について、過去に以下の記事で3つのポイントからそのメリットをお伝えしました。
自転車のカロリー×距離の計算式を公開!最も効率的に痩せる習慣はコレ!比較的楽で続けやすい自転車通勤はダイエット目的には非常にマッチしていると思います。
しかし、世の中には星の数ほど様々なダイエット手法があり、そのどれもが「無理なく続けられる」とか「楽に痩せられる」と言っています。
にもかかわらずダイエットに失敗する人は後をたちません。
その為『実際のところはどうなの?』という疑いを持っている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は僕が実際に3年間自転車通勤を続けてみて、その結果どうなったのかを赤裸々にお伝えします。
ダイエットを考えているのであれば、運動とセットで必ず知っておいてほしいのが『正しい食事のとり方』です。
とりわけ効果が高くおすすめなのが『置き換えダイエット』ですが間違ったやり方をしている人が意外なほど多いです。
『これを知らないからあなたは置き換えダイエットに失敗するんです』に正しい置き換えダイエットのやり方をまとめました。是非参考にしてみてください!
3年間の自転車通勤による体重変化
自転車通勤による消費カロリーについては、先程の過去記事で以下の様に述べています。
60kgの人がロードバイクで自転車通勤を行った場合、1時間で約480kcal(10分で80kcal)を消費することになります。
これを元に実際の片道の通勤時間を掛ければよいのですが、前述の通り信号待ちによる停止もあるので大体8割位を目安に考えれば良いと思います。
つまり、体重60kgの人が片道1時間の自転車通勤をする場合、480×0.8=384kcal(片道)というわけですね。
一日往復ですと約760kcalです。
1kg体重を落とすには7200kcalが必要ですから、ほぼ10日で1kg、1ヶ月で3Kgずつ痩せていく計算ですね。
3年ということは36ヶ月ですから計算上は36×3kgでマイナス108kgの減量に成功するはずです。
元々僕は身長174cmで体重65kgほどだったので最終的には『マイナス43kg』になっているはずです。
では、果たして本当に108kgもの減量に成功したのでしょうか!?
・・・いえ、残念ながら結果的には108kgの減量にはなりませんでした。(そりゃそうだ)
それどころか3年後の時点での僕の体重は63kgほどで、数値上はわずか-2kgにしかなっていないことになります。
もちろん自転車通勤を続けていた期間中、普段より食事量が増えていたなどという事はありません。
時期によっては多少の幅はあるかも知れませんが、そこまで大きく食事量が増えたことはありません。
ではなぜこの様な意味不明な計算が成り立つのでしょうか。
実はコレ、ホメオスタシス(恒常性)と呼ばれる体の生存機能によるものなのです。
恒常性(こうじょうせい)ないしはホメオスタシス(希: ὅμοιοστάσις、英: homeostasis)とは、生物および鉱物において、その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のことである。
いわゆる『体が慣れた』という現象です。
ずっと摂取カロリーより消費カロリーが上回っていると思っていても、一定以上の減量ペースになると生命活動を維持する為に途中から消費カロリーが抑えられる訳ですね。
同様に食事についても消費した分をより無駄なく体に取り込もうとし、同じ食事量でも効率的にエネルギーを吸収していると考えられます。
これらはダイエットの面からみると全く嬉しくない機能ですが、生きるために必要な能力でもあります。
また、それ以外にも体力がついてきて筋肉を無駄なく使えるようになったことで、運動エネルギー自体が節約できているという側面もありますし、ペダルの踏み方やフォーム一つとっても無意識のうちに効率のよい走りへと変化しているはずです。
結果的には途中からほぼ摂取カロリーと消費カロリーがイコールとなり、一定以上の体重減少にはつながらなかったと考えられるわけです。
自転車通勤による減量『以外』の効果
上記のように、僕の場合は結果的に体重変化はほとんど無かったわけですが、自転車通勤に減量効果が無いということは決してありません。
誤解のないように改めていいますが、自転車通勤は間違いなくダイエット効果が高く非常に優れた運動習慣です。
元々体重が多めの人が同じ様に自転車通勤を続ければ、間違いなく痩せるでしょう。
あくまでも僕の場合は元々ほぼ適正体重であったため、過剰な減量にならないように体が勝手にセーブしたため大幅な体重減少につながらなかっただけです。
63kgという体重も最終的な3年後時点のものであり、期間内での上下はありますので始めた当初は60kg以下まで一時的に落ちたこともあります。
ちなみに、今回は実行しませんでしたが停滞した時点で運動や食事を変化(筋トレを加える、食事をより細かく分割する、食事のタイミングを変える、etc)させることで、恒常性のルーチンから外れさらに体重を落とすことは十分に可能でしょう。
また、体重面での変化は見られなかったといっても体になんの変化も無かったかというとそんな事はありません。
『数値』に現れない部分の変化はいくつか感じられました。
太りづらい体への変化
実感として最も大きい点が体の基礎代謝がアップしたことで太りづらい体になったという点です。
やはり3年間の自転車通勤によって今まで使わなかった筋肉が使われるようになったことは確かです。
はっきりとした筋肥大に繋がるほどの負荷は無いものの、ロードバイクは全身運動ですから幅広い筋力強化は出来たと思います。
それにより、明らかに以前よりも太りづらい体質になっています。
30歳をとっくに過ぎて一般的には徐々に筋力が低下し太りやすくなる年齢を迎えていますが、どんなに不摂生をしても体重が3kg以上増えたことはありません。
自転車通勤を止めて全く運動しなくなり、毎日菓子パンやファストフード、昼間や夜の間食、不規則な食事時間など不摂生の代表のような食生活が2~3ヶ月続いた時期がありました。
しかし、それでも体重変化は最大で2kg以内でしたし普通の食事に戻したら1ヶ月以内に元の体重にもどりました。
内蔵へのダメージはわかりませんが、脂肪については明らかに付きづらくなっていることを実感していますね。
病気への抵抗力アップ
また、自転車通勤を続けていた頃は本当に風邪やインフルエンザとは無縁でした。
満員電車での通勤が減ったことで病気をうつされることが無くなったという可能性も大いにありますが、適度な運用によって抵抗力がついたという点が大きいでしょう。
ただし、これは自転車通勤を続けている時期だけの話で、やはり止めてしまってからは年に2,3回は風邪をひく様な体質に戻ってしまいました。
コレに関しては継続的に運動を続けないと元に戻ってしまうのだと思います。
明らかに自転車通勤をしていた時期だけテキメンに効果があったので、少なくとも何らかの相関があることは間違いないでしょう。
運動の習慣化
そして最も大きな点として『継続的な運動を続けられる』というのが完全に自分の体に染み付きました。
これは肉体的なものではなく精神的なものになりますが、運動だけでなく『何かを続ける』ということのハードルがぐっと下がりました。
要は『継続的に何かを続ける』ことが苦痛ではなくなっているわけですね。
コレって実は凄く大事なことだと思っています。
かつてベストセラーになった『やり抜く力 GRIT(グリット)』にもこの物事を継続する(=やり抜く)力が、成功者になるための重要な才能の一つであると述べられています。
自転車通勤を通して心身ともに鍛えられることで一生モノの才能が身につけられるのであれば、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
まとめ
一回の消費カロリーがいくらでそれを何日続けるからいくらで、そうすると脂肪が無くなります、という具合に単純計算ではうまく行かないのが人間の体です。
そういった数字による話よりも、僕自身が3年間自転車通勤を続けてみた実体験から具体的に何が変わったのかという観点で語ってみました。
一見するとダイエット効果がないショックな結果に見えるかも知れませんが、決してそんな事はありませんし体重減少のほかに得られるメリットも大きいです。
(なにより通勤ラッシュのストレスから開放されるわけですし)
迷っている人は是非とも自転車通勤、始めてみてほしいと思います。
以下の記事も参考にしてみてくださいね。
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