自転車を乗る以上、避けて通れないのがパンクです。
誰でも一度は自転車のパンクを経験していることでしょう。
ですが自転車のパンク修理は非常に手間がかかるというイメージがあると思います。
タイヤからチューブを取り外して、水に沈めてパンクの箇所を特定し、ヤスリで擦って、修理パッチを貼って、チューブをもとに戻し、また空気を入れる。
慣れていなければ一連の作業に30分~1時間位かかってしまうでしょう。
もし朝の通勤中に運悪くロードバイクがパンクしたらどうすればいいのでしょうか。
チェック用の水だってすぐ用意できませんし、朝早ければ自転車屋だって空いていないでしょう。確実に遅刻してしまいます。
ですが安心してください。実はロードバイクの場合はそんなに時間はかからないんです。
多少慣れは必要ですが、せいぜい10分もあれば余裕で直せちゃうんです。
今回はそんなロードバイクのパンク修理手順やコツをご紹介します。
パンク時の対策を覚えるのはロードバイク乗りにとって必須の技術ですから是非覚えてくださいね。
自転車通勤の遅刻原因1位はパンク
自転車通勤の場合、電車のように遅延がありませんから寝坊でもして出発が遅れない限り、ほぼ遅刻することはありません。
ある程度慣れてくれば自分のペースも分かってきますし『体力が尽きて遅刻した』なんてことはまずないでしょう。
あるとすれば自転車のトラブルによるものが大半です。
ギアやチェーンの故障もありえますが、最も可能性が高いのはパンクです。
事実、僕も3年間自転車通勤を続けた中でパンク以外の自転車トラブルに見舞われたことはありません。(事故ったことはありますが自転車本体のトラブルではありませんね)
ギアやチェーンは最低限のメンテナンスや掃除をしていれば故障することはほぼ無いでしょう。
従ってパンク対策の手順さえきっちり抑えておけば、ロードバイクでの通勤に不安を感じることはないはずです。
パンク対応の作業自体も慣れてしまえば数分で対処できるので遅刻せずに済みますね。
【大前提】空気圧のキープは必須
さて、パンク修理の手順の前に大前提として覚えておいてほしいのがロードバイクの空気圧についてです。
ロードバイクの場合、空気圧はかなり高めを維持する必要があります。
空気圧を高く保つことでタイヤの回転効率もあがりますし、パンクもしづらくなります。
反対に空気圧が充分でなければ、スピードも出ませんしパンクする確率もぐっと上がります。
具体的な数値の目安は7気圧前後ですが、数字を出しても普通はわからないと思いますので感覚で言うと『タイヤを掴んで指で押してもほとんどへこまずカチカチな状態』『乗った状態で上からみて接地部分が横に広がっていない』『2週間に一度はお店で空気を入れてもらう程度』といったイメージです。
ママチャリの場合年に1、2度しか空気を入れずほとんど放置している人も多いと思いますが、ロードバイクの場合はこまめに空気を入れて高い空気圧を維持する必要があるのです。
とはいえまるで岩のようにガチガチになるまで空気圧を高くしすぎると、今度はタイヤが硬すぎて乗り心地が非常に悪くなりますのでご注意ください。
最初のうちは近くのサイクルショップで空気を入れてもらうと良いでしょう。適切な空気圧にしてくれるはずです。
しばらく乗っていれば乗り心地やタイヤを見るだけで空気圧が適切かどうかが判断出来るようになりますよ。
なお、基本的には前輪よりも後輪のほうがやや空気圧を高くする必要があります。
直すのではなく交換する、が基本
では実際にパンク修理の流れをご紹介します。
初めに重要なポイントを上げておくと『パンクはその場で直さず即交換』が基本になります。
路上でいちいちパンク箇所の特定や補修をしていては時間がかかりますし、必要な道具が揃えられません。
そこで、普段から予備のチューブと携帯用の空気入れ(エアポンプ)を常備しておき、パンクした場合はチューブを予備にかえてしまうのです。
これならば修理の時間がぐっと短縮できます。
具体的な手順は以下のとおりです。
- パンクしたタイヤを取り外す。
- チューブを取り出す。
- タイヤの裏やリム周りにゴミや石が入り込んでいないかチェックする。
- 予備のチューブをセットし空気を入れる。
- タイヤを再びセットして完了。
詳細手順の説明。クイックリリースなら作業は簡単!
さて、ではもう少し細かく手順をチェックしてみましょう。
まず最初の『1.パンクしたタイヤを取り外す』ですが、ママチャリと違ってロードバイクの場合簡単にタイヤを取り外すことができます。
タイヤとフレームはネジで固定されているだけなので、それを素手で緩めるだけでスポッと外せてしまうのです。工具も不要です。
この仕組をクイックリリースと言います。
これがあるおかげでロードバイクのチューブ交換は簡単にできてしまうのです。
具体的な取り外し手順は以下の動画が非常にわかりやすいので、確認してみてください。
・ロードバイクの前輪の外し方、付け方
・ロードバイクの後輪の外し方、付け方
次に『2.チューブを取り出す』ですが、これはほぼ普通のママチャリと同じです。
タイヤの横からレバーを差し込んでズリズリと外していきます。
文章だけだとさっぱりわからないと思うのでこちらも動画を貼っておきます。
チューブを無事に取り出せたら『3.タイヤの裏やリム周りにゴミや石が入り込んでいないかチェックする』です。
このチェックは特に重要ですよ。
チューブを外した後、タイヤの裏に異物が入り込んでいないかを必ず確認しましょう。
タイヤの裏に尖った小石などが入り込んでいたらせっかくチューブを交換してもまたすぐにパンクしてしまいますよね。
ぐるっと一周タイヤの裏を指でなぞってみて、違和感がなければOKです。
リム(タイヤのホイール側)も同じくチェックしましょう。
チェックが完了したら4.予備のチューブをセットし空気を入れましょう。
チューブのセットは外した時と逆の手順ですね。コレも動画を貼っておきます。
この時、チューブがはみ出したり、タイヤとリムの間に挟まったりしていないかもあわせてチェックしましょう。
問題がなければ携帯用のポンプで空気を入れます。
空気圧の目安は先程の通り『タイヤを掴んで指で押してもほとんどへこまずカチカチな状態』が理想ですが携帯用のポンプでは大変かもしれません。
場合によってはある程度まで空気を入れてとりあえず急場をしのぎ、その日の帰りなどにサイクルショップに寄って入れ直してもらってもいいでしょう。
最後は『5.タイヤを再びセットして完了』です。
以上が一連の流れになります。
動画をみると簡単そうに見えますが慣れが必要なので、最低一度は事前に試してみましょう。
動画で見ただけの場合と一度でも実際に作業した場合とでは、作業スピードに雲泥の差がありますからね。
交換したチューブの再利用について
交換後のチューブの再利用についても触れておきましょう。
交換したチューブは帰った後に家で補修し、また予備として常備するという選択肢もあります。
ですが、経験上一度パンクしたチューブは修理してもやはり再度パンクしやすくなります。
ちゃんと適切な空気圧を保っていれば実はそれほど頻繁にはパンクはしません。
一般的にパンクの要因はほとんどの場合、適切な空気圧になっていないことがきっかけなんです。
僕の場合、今までのロードバイク歴は約6年間位ですが今までのパンク回数は3回位ですね。(そのうち1回は修理したチューブを再利用)
最後にチューブを交換してから数年経ちますがしばらくパンクはしていませんね。
パンクの頻度とチューブの料金を考えれば毎回新品に交換してもいいのではないでしょうか。
自宅でパンク修理をするのも面倒ですからね。
必要なものはポンプ、チューブ、工具、軍手
最後にチューブの交換の際に必要なアイテムをおさらいしておきましょう。
まずは予備のチューブ、そして携帯ポンプ、さらにタイヤを外す際のレバー。最低限この3つがあれば対処は可能です。
あとは作業用の軍手があればいいでしょう。
手間も道具も意外なほど少ないのです。
携帯ポンプは自転車のフレームにくっつけておき、それ以外はまとめてツールボトルやサドルバッグにしまっておきましょう。
おすすめの各アイテムについては以下の記事も参考になります。
ロードバイク用チューブの選び方。自転車通勤向きのチューブとは? 5年間パンク無し!とにかくパンクしにくいロードバイク用タイヤとは 初心者でも簡単確実にロードバイクの空気圧を維持する方法と時短テクニック ロードバイクやミニベロに!おしゃれなクラシック系サドルバッグ10選まとめ
というわけで今回はロードバイクのパンク対策についてご紹介しました。
多くの人が苦手意識を持つパンク修理ですが、一度やってみれば思ったより簡単であることが分かるはずです。
最後にポイントをもう一度まとめておきます。
- 自転車通勤するならばパンク時の対処法は必ずマスターしよう!
- クイックリリースという仕組みのおかげで簡単にタイヤが取り外しできる!
- パンクの際にはその場で修理するのではなくチューブを交換する!
- 適切な空気圧を保つことが非常に重要。充分な空気圧があればめったにパンクはしない!
パンク修理は一度でもやったことがあるかどうかで必要な時間が大きく違います。
いざというときに途方に暮れないためにも必ず事前に1度は実際にやってみて手順を把握しておきましょう。
是非参考にしてみてくださいね。