僕はロードバイクやオートバイに乗るときにスマホをナビ代わりにしています。
スマホホルダーは欠かせないアイテムなのですが夏になると困るのが直射日光による熱暴走です。
過去にも何度か熱暴走でiphoneが動作停止に陥りました。
ナビを使っているときに止まるとマジで困りますし、スマホ自体のバッテリーにも重大な影響を与えてしまいます。
しかし、スマホ用の日除けってなぜかいくら探してもまともなものが売っていないんですよね。
そこで仕方がないので自作することにしました。
スマホ用の日除けがない!10年前から現在まで
夏のスマホ熱暴走問題はちょうど10年くらい前に僕がバイクに乗り始めてからずっと夏の課題でした。
とにかく直射日光による熱がヤバすぎてスマホが頻繁に止まってしまい、当時使っていたiphone4はあっという間にバッテリーが劣化してしまいました。
※熱暴走で停止するとバッテリーに深刻なダメージが出ます。
最終的にはフル充電した状態でナビを使うと1時間位で電池がなくなるというレベルまで悪化していました。
一応日除けがついたスマホホルダーもありますが、2、3cm程度の気休めレベルであったり、そもそも上下左右で抑えるホルダータイプではなく密閉ケース型なので熱がこもってケース内が高温になり即アウトの製品が多かったのです。
また、熱暴走だけでなく直射日光による反射で全く画面が見えないというのも問題で、ナビを見るにも非常に苦労していました。
しかし『ドローン』が生まれたことで潮目がかわりました。
スマホのアプリでドローンを操作するという需要がでてきたからです。
ドローンは屋外での操作が主流ですから、バイクと同じように晴れている日は画面が見づらい問題があります。
そんな悩みに対してスマホでのドローン操作用に日除けが販売されるようになったのです。
しかし、あくまでもこれはドローンを操作するときにスマホを手に持ってコントローラーとして使うための日よけです。
スマホホルダーにセットするようには考えられていませんから、ロックするためのアームと干渉してしまい使えません。
また、画面も横向きが前提です。
やはりスマホホルダーにセットして、かつ縦向きで使いたい場合には向いていないということになります。
一応、iphone7/8専用での縦型のサンシェードは見つかりましたが、残念ながら僕のスマホはAndroidなのでやはり使えません。。。
そんなわけで2010年ころから始まったスマホホルダーと併用できるAndroid用スマホの日よけ探しは、10年後の2020年でも未だに見つからない状態なのです。
無いなら作るしか無い!スマホの日除け自作の始まり
最近になり、ロードバイクによるサイクリングも趣味になってきたことでますますスマホの日除けに関する需要が(僕の中で)高まってきました。
そこで、一向に欲しいアイテムが販売されない現状に業を煮やし、10年越しにようやく自作という選択肢が生まれたわけです。
1.要件を絞ってデザインを設計
まずは自分がほしい日除けがどんなものなのか、改めて要件をまとめてみました。
かつては『縦型横型どちらでも対応できるようにしたい』とか『見た目もおしゃれでいい感じのデザイン』とか『ずっと付けっぱなしでも耐えられる耐久性』とかありましたが、一旦簡易版をつくってそこから徐々にアップデートしていく方針に変えました。
まず、縦型横型両方に対応しようとするとかなり大変そうなので一旦諦めて、今回は縦型専用で考えてみました。
デザインも二の次で、まずは直射日光を何とかすることを目的とします。
できれば不意の雨も防げるのも理想ではありますが、そうなるとカバーがより張り出してくるので画面が見づらくなってしまうので悩ましいところです。
一旦晴れた日限定で考えることにします。
イメージとしては上だけでなく横からの日差しもカットできるように左右もカバーできる日除けが望ましいです。
ちょうどドローン用の日除けの縦バージョンですね。
スマホの取り外しのことを考えて、できれば屋根の部分は開閉式にし磁石で止めるような形がよさそうです。
昔から温めていたイメージはあったのでデザインの設計は割とすぐでした。
スマホホルダーはコイツを使います。ミノウラのスマホホルダーです。
もともとバイク用として数年使っていますが、今でも安定性はバッチリで信頼できるやつです。
今は改良版が出ているようですね。
もう一つモバイルバッテリーをセットできるスマホホルダーもありますが、そちらはシリコンでふにゃふにゃした素材で合わなそうなので今回は無しです。
ステム取り付けに対応!スマホホルダー『Bike Tie Pro-Pack』レビュー2.素材選びとモック作成
次に素材を考えることにしました。
素材はある程度の固さと耐久性とそして軽さを併せ持ったものが理想です。(あとコストパフォーマンスも)
そうなるとプラスチックかなー、と思って探していたら『プラスチックダンボール』なる素材を見つけました。
これはその名の通り、プラスチックで出来たダンボールのような形状の素材です。
プラスチックなので固さや軽さも備えており、なにより耐久性が高いのが特徴のようです。
プラスチックダンボールの中でも特に丈夫な『ツインカーボ』という素材をチョイスすることにしました。
できれば半透明ではなく色付きのものが良かったのですが、クリアかグレーの半透明のものしかなかったのでグレーにしました。ちゃんと日差しが防げるか若干不安ですが。。。
デザインと素材が決まったので、今度は試しに紙で簡単なモックを作ってみることにしました。
サイズは一旦適当で、今のスマホに合わせてなんとなく工作してみます。
それで出来上がったのがこちらです。
紙なのでふにゃふにゃですし寸法も雑ですが、イメージはしやすくなりました。
今回のポイントは完全にスマホホルダーに固定するのではなくスマホと一緒に挟み込むようにセットして使うという点ですね。
コレならば使いたいときだけセットできるので冬場などは外しておけます。
3.必要なアイテムを揃える
イメージがほぼ固まったので、後は必要な道具や素材をあつめて実際に制作に入ります。
追加で必要な素材は
- プラスチックダンボール(ツインカーボ)
- 貼り付け用の磁石シール
これだけです。
また、加工用の道具としてプラスチックが切れる大型のカッター、専用ハサミ、カッター用の作業台と定規も用意しました。
この辺りのアイテムは自宅にあるもので代用あるいは100均でもよいのですが、経験上ホームセンターなどで売っているちゃんとした工具を使ったほうが作業時のストレスが大幅に軽減されるのでそちらのほうが良いでしょう。
(僕は割と普段からDIYが好きなので工具はなるべく揃えるようにしています)
素材だけならば¥1,000程度で揃いますね。
4.サンプルを作ってみる
ではいよいよ制作です。
先程作った仮のデザインをもとに再度正確な寸法で型紙をつくり、それをツインカーボに張り合わせて切っていきます。
プラスチックダンボールは普通のダンボールのように中が空洞になっています。そのため筋目に対して垂直に切るのは簡単なのですが水平に切ろうとするととたんに難しくなります。
今回の場合、上と左右それぞれで開閉式にしたいのでどうしても水平に切らなければならない箇所が出てきます。
というわけで一旦、このような形で合わせることにしました。
上の屋根の部分は筋目に対して水平に切ることになりますね。
水平に切る場合はかなり力がいるので一気に切らずに何回かに分けて少しずつ切り込みを入れていく形になります。
水平にカットして曲げるときはこのような感じで2箇所ほど並行にカットして切り落とすことになります。
正直、ここが一番大変でした。
一方で、垂直にカットする所は簡単です。
開閉する部分の裏側の1面だけをカットして『谷折り』に曲がるよう感じにします。
細かいところは最後に調整するとして、まずはざっくりと雑にカットしていきます。
とりあえずこんな感じになりました。
これで上の部分と左右がそれぞれ開閉するようなしくみになりました。
あとは折りたたんだ箇所を磁石でとめる形にすれば一旦完成です。
5.そして壊れる
一通りカットしてみたものの、このツインカーボ予想以上に結構固いです。
上も左右もなかなかすんなりと開閉しません。
というか戻ろうとする力が強くて手で抑えてないと浮いちゃうんですよね。。。
これでは磁石シール程度ではとてもくっついてくれそうに無いです。
とくに、筋目に対して水平にカットした上の部分は反発が強すぎです。うーん、これは想定外。
なんとか折り目をつけようと悪戦苦闘していると、、、
折れました
\(^o^)/
一番苦労して作った上の屋根部分がポッキリと。
どうやら水平にカットした際に裏側までカッターが貫通していた箇所が何箇所かあってそのせいで強度が落ちてしまっていたようです。
今までの苦労が。。。。
6.無理やりくっつけてβ版でテスト走行
そもそも反発が強すぎてまともに開閉出来なかったので、もう開き直って折れてしまった部分を90度回転させてアロンアルファでくっつけることにしました。
こうすれば折り目はすべて筋目に対して垂直になりますから強度も保たれます。
ただ、相変わらず戻る力が強くて磁石では固定できないようなので、一旦セロハンテープで固定します。
だいぶ不格好ですが、もうコイツは完全にただのサンプルという扱いにします。
まずは本来の目的であった「日除け」としての機能を果たせるかどうかを確認して、その結果をもとにもう一度改良版を作ることにします。
そもそも一発で完璧なものが作れるはずなど無いのですから!と自分に言い聞かせて。
というわけで、ある晴れた日にさっそくロードバイクに取り付けて試験走行してみることにしました。
うーん、予想していましたが見た目は結構アレですね。。。
そしてここでも予想外の事態が。
パイプに対して横にセットするようにしたのですが、ステムにセットすると角度が左右にしか変えられず、上下の角度調整が出来ないので画面がほぼ水平になってしまい全く日除けの意味がないのです。
日差しがきつくて画面も見づらい時間帯というとお昼くらいのちょうど太陽が真上に上がったタイミングですから、その時間帯にしっかりと日差しをカットできないとダメなわけです。
そうするとある程度上下に角度がつかないと日除けとして役に立ちません。
ベルがある位置につけようとするとそもそも太さがあっていないので固定できません。
無理やりバーテープが巻いてあるハンドル部分ならば多少固定できますが、そもそも運転しづらいです。
いやー、なんか色々と考慮不足でした。
7.俺たちの戦いはこれからだ
というわけで第一回のスマホの日除けの自作は見事大失敗に終わりました。
反省点としては主に以下の3つですね。
- ステムにセットしつつ上下に角度が変えられるスマホホルダーが必要だった
- ツインカーボは耐久性はあるが硬すぎて扱いづらい
- 見た目が非常にかっこ悪い
3つ目に関してはそもそもわかっていた話ですが、残りの2つに関しては素材選びからやり直す必要がありそうです。
扱いやすさを考えて耐水性のダンボールを選ぶというのも手ですがさらに見た目がアレになりますし、角度の問題に関しては一筋縄ではいかなそうです。
一方で、しばらくハンドルに装着して走ってみたところ衝撃や風で外れるようなこともなく意外と安定していました。
取り外しも楽だったので固定式ではなくスマホと一緒に挟み込むというやり方は正解だったと感じています。
また、半透明ながらもちゃんと日差しそのものはカットしてくれているようです。
バイクであればハンドルの形状の関係で角度の問題もクリアできるので、とりあえずこの日除け&スマホホルダーはバイク用として使うことにします。
自転車用のスマホホルダー&日よけは今後もう一度検討ですね。
まとめ
夏のスマホの日差しは、熱暴走と反射による見づらさで屋外スポーツではなかなか厄介な問題です。
にもかかわらずあまりそういった製品が販売されていないのが現状です。
ないものは自分で作る。という考え方を持ってみるのも一興です。
中々大変ではありますが思い通りのものが出来れば最高です。今後も懲りずにチャレンジしていきたいですね。