雨の日に自転車通勤をする際に最初に選ぶことになるであろうアイテムがレインウェアです。
傘をさしながらの片手運転はロードバイクの場合、法律うんぬんの前に物理的に不可能に近い(バランスを取るのか非常に困難)です。
そもそも自転車の場合、傘では実は雨をほとんど防げない(胴体や頭を除いてほぼ濡れる)のであまり意味が無いのです。
従って雨の日にロードバイクで通勤するならば必然的にレインウェアは必須になります。
という訳で、今回は雨の日の自転車通勤のマストアイテムであるレインウェアについてご紹介します。
レインウェアは値段と快適性が比例
はじめに結論から言うとレインウェアに関して言えば、ほぼ確実に値段と性能(快適性)が正比例します。
一部を除いて高い物ほど高性能と考えて良いので、予算が許すならばなるべく高い物を買った方が快適に自転車通勤が可能でしょう。
機能的とは防水性だけでなく汗の湿気を溜め込まない高い透湿性であったり、動きを妨げない立体裁断、日々の使用に耐えられる耐久性を指します。
コンビニや100円ショップのレインウェアの場合、これらの機能性が確保されていない為、実際に身につけてみるとその快適性に大きな差が出てくるのです。
防水性はもとより、汗がこもって蒸れたり、肘や膝が突っ張って動きづらかったり、耐久性が低く数回で水が染みてきてしまったりするわけです。
結果として高いものを買って、しっかりメンテナンスしながら長く使う方が間違いなく満足度は高くなるでしょう。
自転車通勤用のレインウェアのタイプ選び
次にレインウェアのタイプについてご説明します。
レインウェアには大きくわけて、マントのような形式で頭から被る『ポンチョタイプ』とジャケット&ズボンに分かれている『上下セパレートタイプ』の2種類が存在します。
コレもずばり言うと、自転車通勤ならば基本的にはセパレートタイプを選択すべきです。
ポンチョタイプはカバー範囲が狭く、また、どうしても風でバタつきやすい為、ロードバイクには適していません。
足元も見えづらい為かなり危険です。
ポンチョタイプは手軽ではありますが、これはあくまでも緊急用や近場までママチャリで移動する、といった用途限定と考えましょう。
セパレートタイプの場合、着脱は少々面倒ですがしっかりと上下に分かれてしっかりフィットするので動きやすく、走り出してしまえば遥かに快適です。
脱いだり着たりする手間が一番のネックになるので、着る場合は途中で脱ぎ着するのではなく出発から到着までずっと着続けるほうがよいです。
途中から雨が振る可能性が高い場合は初めから着ていき、途中で雨がやんでもなるべくそのまま到着まで着続けましょう。
レインウェア選びの注意点
ではここからもう少し具体的にレインウェア選びにおける注意点を一つ一つ上げていきましょう。
ポイントは『サイズ感』『耐水圧性能』『透湿度性能』『撥水性能』の4つになります。
それぞれの特徴は以下の様になります。
サイズ感 | どれだけ体にフィットし動きやすいか |
耐水圧性能 | どれだけの水圧に耐えられる防水性があるか |
透湿度性能 | どれだけ体から出る汗の湿度を逃してくれるか |
撥水性能 | どれだけ表面の水をはじくことができるか |
いずれも重要な要素です。
サイズ感
まずはサイズ感です。
基本的には動きやすさを考えてジャストサイズが推奨されますが、自転車通勤の場合そこまでシビアに考える必要はないので冬場で多少着膨れすることを想定し、余裕を持ってワンサイズ大きめでもよいでしょう。
一般的なシャツのサイズ感で考えておけば十分です。
ちなみにロードバイクの場合、一般的なママチャリと比べて前傾姿勢になるので普通の服ですと丈が足りずに腰のあたりが露出してしまいます。
サイクル用のレインウェアはその辺りを考慮して背中側の裾が長く取られていますので、ジャストサイズでも十分にカバーできるわけです。
また、同様にズボンについても裾が巻き込まないように絞られているモノやマジックテープで留められるものが多いのでその点も心配不要です。
耐水圧性能
レインウェアを選ぶ際の防水性の基準になるのが耐水圧です。
これは自転車通勤に使うならば最低10000mm以上は必要で、できれば15000mm~20000mm位が望ましいですね。
耐水圧10000mmというのは1cm四方の空間に10mの高さまで水を入れた場合にでも耐えうる防水性を持っていることです。(20000mmなら20m)
一般的な目安としては大雨程度なら十分防げる、という感じです。
ただしコレはあくまでも購入時のものであり、使い続けることで徐々に性能は劣化していきます。
性能を維持するためには後述のメンテナンスが重要になってきます。
透湿度性能
透湿性というのは文字通り湿度をどれだけ透過できるかという性能を表すものです。
高性能なレインウェアには『GORE-TEX』や『OutDry』といった特殊な素材が使われています。
これは表面に目には見えない無数の穴が空いているもので、GORE-TEXの場合1cm四方にその数実に14億個というとてつもない数だったりします。
そのサイズは当然ながら人間の目では到底確認できないレベルであり、見た目上は普通のナイロンやポリエステルの生地と同じで、手で触れてみても微細な穴が空いているなどとは全くイメージできないでしょう。
そして、それだけの小さい穴ですともはや水の分子よりも小さいサイズである為、水が通り抜けられません。
一方、気体となると分子の結合が弱いためそのサイズの穴でも通り抜けることが出来ます。
その結果、水は通さないが湿度は通すことになるわけです。
一般的に湿度は高い方から低い方へと移動していく性質があります。
例え雨の中でも、汗をかいてくるとウェアと肌の間の空間の湿度は外部よりも高くなり不快感が強くなります。
そこでこの透湿性能により汗で溜まった湿気が外に抜けていくわけです。
ちなみに防水性はmmで表すのに対し、透湿性はgで表します。
例えば10000gであれば、24時間の間に10kgの水蒸気を放出することが可能です。とはいえ10kgと言われても全くイメージが湧かないと思いますが。。。
自転車通勤の場合、目安としては10000g程度あれば十分でしょう。
あまり安いものですと2000gとかありますが、これだと相当蒸れを感じるはずです。
撥水性能
これは水をどれだけ弾くことが出来るかという性能を表すもので、撥水性が高いものは生地の表面で水が玉のようになり滑り落ちていきます。
つまりどれだけ表面に水が染み込みにくいかを表す指標になるわけです。
テフロン加工されたフライパンの表面のような感じをイメージしてもらえればわかりやすいでしょう。
せっかく透湿性があっても表面が染みて水分の膜ができてしまえば水蒸気は抜けませんから、表面をドライに保つ撥水性もまた重要なポイントになります。
この撥水性は摩擦や洗濯によってその性能が落ちやすいという難点があります。
しかし、一方で熱によって復活しやすいという手軽さもあります。
実はドライヤーの熱風を当てたり表面にアイロンをかけたりすることである程度簡単に持ち直すことができるのです。
耐水圧や透湿度と違ってあまり数値で表されることがないので、カタログ上で性能差を判断するのは困難です。
そのため、今回は基準からは外しています。
撥水スプレーやニクワックスといった撥水剤を使いながらこまめにケアしていくものと考えましょう
しかしレインウェアやレイングローブではあまり見かけることはないのが実情です。ちなみに5級が一番撥水性が高くなります。
価格の目安
そしておそらく一番悩むのが『一体どれ位の予算を確保すれば、自転車通勤でも十分に快適なレベルになるのか?』という点でしょう。
つまりいくら位のものを買えばいいんだよ?という話ですね。
前述のとおり自転車通勤である程度快適性を求めるならば耐水圧、透湿度共に『10000』を目安にすべきなので上下セットで¥15,000~¥20,000程度を想定しておくとよいでしょう。
もちろん最初に言ったように予算さえ許すのであればより性能面を重視しても良いと思います。
感覚的には機能や価格のバランスとしては耐水圧は10000mmがひとつの境になると言う印象です。
耐水圧10000mm、透湿度10000gを両立しているレベルになると、大体ジャケットだけでも¥10,000はほぼ超えてくるでしょう。
その一方で耐水圧8000mm、透湿度3000mmくらいだとホームセンターで3980円位で売られていたりしますね。
耐水圧50000mmとかのレベルになると費用対効果が著しく悪くなり、ジャケットだけで数万円になってしまうのであまり現実的ではありませんね。
PCで言うところとのCPUとメモリに近いイメージですね。
上下セットで¥15,000~¥30,000くらいまでがボリュームゾーンと考えてください。
おすすめレインウェア5選
さて、大体の性能面や価格面の目安がわかったところで実際に僕がおすすめするレインウェアをいくつかチョイスしてみました。
あまり数が多くてもかえって迷うだけだと思うので、とりあえず5つほどに絞りました。
また、価格もなるべく上下で¥20,000位までに収まるものを目安にしています。
1、スーパーストレッチ サイクルレイン(mont-bell)
参考価格:¥13,143(ジャケット)/¥10,286(パンツ)
耐水圧:20,000mm/透湿度:15,000g
¥20,000位を目安と言ってるそばからいきなり予算オーバーですが、まず最初におすすめしたいのがおなじみアウトドアブランドmont-bellの自転車用レインウェアです。
ロードバイク用のレインウェアに関しては、はっきり言ってmont-bellの独壇場と言って差し支えありません。
他にもロードバイク専門メーカーはありますし、そちらでもレインウェアはリリースされていますが調べれば調べるほど価格と性能面のバランスを考えると最終的にはmont-bellに落ち着きます。
スーパーストレッチハイドロブリーズと呼ばれる高い伸縮性を持つ生地を採用しているので、ロードバイクでも非常に動きやすく膝や肘部分がつっぱることもありません。
もちろん防水性透湿度ともに自転車通勤の用途においては十分な性能です。
ちなみに上下合わせて約¥10,000ほど予算を追加できれば、GORE-TEXのレインウェアの定番である『ストームクルーザー』という製品に手が届きます。
そちらはサイクル用レインウェアではありませんがGORE-TEXにしてその価格はかなり破格で、そちらもダントツに評判が高いです。
2、ドライマスターX(RSタイチ)
参考価格:¥18,800(上下セット)
耐水圧:20,000mm/透湿度:10,000g
バイク用のレインウェアとして有名なドライマスターシリーズのスタンダードモデルです。
これは僕も実際にバイクツーリングの際に使用していましたが、軽量かつ十分な性能で使い勝手はバッチリでした。
扱い方が悪かったため2年ほどで裾の部分から水がしみるようになってしまいましたが、しっかりとケアすれば長く使えるアイテムです。
普通のズボンやシャツの上から着ることを想定しているため、かなり大きめのサイズ感ですが袖や胴回りはマジックテープやドローコードでしっかりと絞れるようになっています。
もちろんパンツの裾もしっかりと固定できるのでチェーンに巻き込むこともなく、ずり上がってきたりすることもないでしょう。
また、内側がメッシュになっているので汗をかいても裏地が張り付くこともなく快適です。
ちなみにこちらも¥1,000追加すればコンパクトタイプになります。
3、エントラントGⅡレインウェア(ワークマン)
参考価格:¥6,800(上下セット)
耐水圧:10,000mm/透湿度:10,000g
一部で異様に高い人気を誇るワークマンではやはりレインウェアも圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。
この性能で上下セットで¥6,800は驚異的ですね。
使われている素材は東レで開発された『エントラント』というもので、実はアウトドアブランド『THE NORTH FACE』のハイベントという素材とほぼ同じ物なのです。
あちらはだいたい上下で¥20,000前後なのでいかに安いかがわかると思います。(もちろん素材だけで全てが決まるわけではありませんが)
ちなみに同じくワークマンの『透湿レインスーツSTRETCH(¥4,900)』も人気が高い製品ですがこちらは透湿度が低く運動時には向きません。
また、フードの取外しも出来ない(フードは視界が塞がれるので外した方がよいです)ので、普段遣いであればよいのですが自転車通勤には少々性能不足でしょう。
※Amazonや楽天では品切れになっていることが多いようです!確実に手に入れたい場合は公式オンラインショップでの購入をおすすめします!
参考 ワークマン公式オンラインショップ4、ベルグテックEXストームセイバーVI レインスーツ(mizuno)
参考価格:¥15,660(上下セット)実勢価格:¥12,000程度
耐水圧:30,000mm/透湿度:16,000g
今回紹介するアイテムの中でも数値上は圧倒的な性能を誇ります。
富士登山での着用率No1らしく、どうやらネット上でもベルグテックの知名度は高く入門用の高コスパレインウェアと言った感じで定番みたいですね。(今回色々調べてみて初めて知りました)
撥水性は選択を繰り返すことですぐにその性能が低下すると言われている中で、『100洗撥水』という100回洗っても撥水性が続くという驚きの性能を誇ります。
さすがに100回は理想値と考えておいたほうが良いと思いますが『ストームセイバーVI』という名前の通りシリーズを重ね6番目ですから着実に進化していると言えるでしょう。
5、NEXUS DS レインスーツ XT (SHIMANO)
参考価格:¥24,000(上下セット)実勢価格:¥20,000程度
耐水圧:不明/透湿度:不明
こちらはロードバイクのコンポーネントで有名なSHIMANOではなく釣り具メーカーのSHIMANOからリリースされているレインウェアです。
磯釣りで使用することを想定したアイテムですね。
釣りでは雨だけでなく海水にもさらされますから高い防水性が求められます。
なかでもこのアイテムは評判が高くとあるレビューでは7時間近く豪雨に降られていてもほとんど浸水しなかったという話もありました。
耐水圧や透湿度は公式ページを見ても公表されていませんが、ドライシールドという独自の防水透湿性素材が使われています。
釣り用のレインウェアですがお尻の部分が2重生地で補強されていたり腕や肩の部分が立体裁断になっていたりと自転車通勤でも恩恵がある作りになっています。
ブラックとレッドの2色展開ですが、視認性を加味してレッドをおすすめします。
まとめ
というわけで自転車通勤にオススメの高性能レインウェアの条件とおすすめアイテムについてご紹介しました。
防水透湿性素材の王者といえばGORE-TEXですが、残念ながらGORE-TEXを使っているもので上下セットで定価¥20,000を切るものは見つけられませんでした。(2018年4月現在)
そのため今回は除外しています。
しかし今は各メーカーから高性能な素材が次々と出てきており、GORE-TEXでなくとも十分な性能をもつウェアは多く出回っています。
大切にケアしながら使えばこれらのアイテムでも日々の自転車通勤に十分耐えられますよ。
レインウェアのケアのポイントについては必読!レインウェアを長持ちさせるために絶対知っておくべき簡単ケアにまとめましたので、せっかく高いお金をだして買ったものをすぐに無駄にしてしまわないためにも是非併せてチェックしてくださいね。
※また、レインウェアと組み合わせると最強になるのがレインシューズカバーです。以下の記事にその魅力をまとめましたのでぜひ合わせてご覧ください!
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