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自転車通勤でヘルメットの必要か?必須派VS不要派の意見まとめと考察

自転車通勤でヘルメットの必要か?必須派VS不要派の意見まとめと考察

バイクと違い、自転車の場合ヘルメットの装着は任意です。

従って付ける付けないは本人の自由ですし、ノーヘルでも何の罰則もありません。

しかし、ことロードバイクに関してはヘルメットの是非についての論争は非常に根深く、必要派と不要派の意見の対立は今も続いています。

ネット上にも日夜激しい論争が巻き起こっており、それらをまとめるだけで一冊の本になるのではないかと思えるほどです。

今回はそんなロードバイクのヘルメット論争について必要派と不要派の意見をまとめ、僕なりの結論をお伝えしてみます。

ヘルメット必要派の意見

基本的にロードバイクにおいてヘルメットは任意とは言えかなり広く浸透しています。

中にはヘルメットをしないロードバイク乗りに対して嫌悪感を抱く人もいるほどです。

まずはヘルメット必要派の意見を聞いてみましょう。

バイク並みの速度で車道を走るのでどう考えても必須

まずは法的にヘルメット着用が必須のバイクとの比較による理由ですね。

ロードバイクは乗り手次第で時に時速40km、50km近いスピードが出ることも珍しくありません。

その状態で車道を走れば、もはや体感的にはバイクとほぼ同レベルの乗り物です。

にも関わらずヘルメットを着用しないのは極めて危険であるというものです。

これはさらにヘルメット義務化や自転車の免許制度の提案といった意見にも繋がりますね。

たとえ低速でも頭部をぶつければ危険なので必須

ではスピードが出ていないければ大丈夫なのか、というとそんなこともありません。

要は打ちどころの問題なので、たとえ停車時に足を滑らせて転倒した場合でも運が悪ければ頭をぶつけてしまうかもしれませんし、信号待ちで後ろから車が追突してくるかもしれません。

その為、スピードが出る=危険。という単純な図式ではないのです。

頭をぶつける可能性がある乗り物だから安全の為、いつ何時でもヘルメットは着用すべき、ということです。

それにヘルメットは転倒だけでなく様々な飛来物からも頭を保護する役割があります。

(ただ、この話を突き詰めていくと歩行者であってもヘルメット必須という話になりかねない)

安全性と快適性(とデザイン性)を兼ね備えている

ヘルメットは事故の時に頭を保護するだけではありません。

自転車用のヘルメットはその安全性に加え、快適性も備えています。

砂やホコリ、虫が頭に付くのを防いでくれますし、直射日光からも頭を守ってくれます。

さらに高速で走ることにより風圧で髪型が乱れる、というのを防ぐ効果もあります。

ちなみに自転車用ヘルメットの場合、頭頂部とヘルメットの間に適度な隙間があるのでバイク程は髪の毛がぺったんこにはなりません。

これ自転車通勤だと地味にありがたい点ですね。

それに多数の空気穴があることで頭が蒸れることもないです。

ファッション的な感覚で乗っている人はマナーも悪い傾向がある

ちょっとヘルメットの是非とはズレますが、ブームで一気にロードバイク人口が増えたことに起因する問題です。

ロードバイクに関してはヘルメットやサイクルウェア、グローブなどをしっかりとした装備に身を固めている人と、私服でノーヘルで乗っている人だと前者のほうが交通ルールを守っていたりマナーがよかったりする傾向はたしかにあります。

あくまでも傾向なので、まるでそのままレースに出れるくらい完璧な格好をした人でも信号無視している場面を見たこともありますし、逆に私服でもちゃんと信号がない横断歩道で停止する人もいます。

しかしヘルメットの着用がその人のロードバイクへ向き合う姿勢にも繋がるので、意識を高めるためにもヘルメットは着用すべきである、という理論とも言えるかもしれません。

ヘルメット不要派の意見

一方でヘルメット不要派の意見も見てみましょう。

不要派意見としてはヘルメットそのものの安全性について疑問視する意見が大半を占めています。

ヘルメットを装着することで逆に別の危険性が高まる

ヘルメットを付けることで安全面で逆効果になるという意見もあります。

1つは回転衝撃による頭部損傷の危険性で、以下のような意見がありました。

回転による負傷は

ヘルメットが路上を跳ね転がり、頭蓋骨内で脳が回転するときに発生し、これにより脳全体で血管と神経線維が引き剥がされる。この場合、表面上はまったく負傷していないように見えることが頻繁に起こりえる。特に搭乗者が従来のヘルメットを着用していた場合に。損傷は内部で起こっている。

頭部損傷後の長期的な知的障害や死亡の主要原因はトルクによって引き起こされるびまん性軸索損傷 (DAI、diffuse axonal injury) かもしれない。これは、通常のヘルメットでは軽減できないばかりか悪くしてしまう可能性のある負傷の種類である。ヘルメットをつけていない時に比べてつけている時のほうが頭部重心からの半径が広くなるのでトルクを増大させるかもしれない。

このプロジェクトの一部として遂行された自転車用ヘルメットの衝突模擬実験で、45km/h で走行中にハンドルから転落した場合の非常に高速な回転加速度が明かになった。その回転加速度はフルフェイス型ポリマー製オートバイ用ヘルメットに比べて30%も強いことが分かった。

ちょっと何言ってるかよくわからない文章ですが、要約すると【ヘルメットをかぶった状態で転倒すると通常よりも回転衝撃が加わるため表面上の怪我は防げても頭蓋骨の中では脳に重大な衝撃が加わるリスクが高まる】というものです。

また、あごひもが引っかかることで窒息したという幼児の症例もいくつかあるそうです。

ヘルメットによって重大事故を回避できたというエビデンスが乏しい

ヘルメットによって守られたという勘違いが多いという意見もあります。

何か事故が起こった時、ヘルメットの有無によるダメージの違いを厳密に検証することはできません。

例えばノーヘルで頭を強く打ったとして、ヘルメットがあれば本当に防げたかどうかはわかりません。

逆にヘルメットが割れるほどの衝撃があった場合に、ノーヘルだったら本当にその衝撃が全て自身の頭に伝わっていたかどうかもわかりません。

「ヘルメットをしていれば防げた(かもしれない)のに」「ヘルメットがなかったら(大怪我していた可能性がある)と思うとゾッとする」

これらの意見はあくまでも想像にすぎず、その場合の『if』は誰にもわからないのは確かです。

2019/12追記
コメントで情報を頂きました!平成31年に警視庁が発表した分析結果の中で明確に【ヘルメット着用状況別の致死率】が記載されています。それによると非着用者は致死率は着用者の約2.5倍という結果になっています。これはそれなりの説得力をもったエビデンスと言えますね。

ヘルメット推進派によってロードバイク離れが起こる

こちらも直接ヘルメットの安全製とは観点が異なりますが、ヘルメット装備がロードバイクにとっての標準になると普及の妨げになるという意見もあります。

たしかに、ただでさえロードバイクは敷居が高い乗り物です。

まず本体の価格が非常に高く、さらにママチャリと違って必要なパーツを別途揃えなければなりません。

さらに乗り心地も悪くフォームもキツイ上、最初は操作も難しい。

そんな状態でさらにヘルメットまで必須となれば、ますます初心者にとってロードバイクのハードルが高くなっていまいます。

結果としてロードバイクは初心者お断りの敷居の高い乗り物となり衰退の一途をたどります

少数派であるロードバイクの市民権は失われ、さらに市場が縮小することでより良い製品開発も行われなくなっていく(=即ち快適にロードバイクに乗れなくなる)ことにもつながります。

結論 自転車通勤にヘルメットは必要か?

以上の様に、必要派、不要派双方の意見は今も平行線です。

どちらの意見もそれぞれに納得できる点もあれば、疑問符がつく点もあります。

ただ、僕個人の意見としては『自転車通勤時はヘルメットを身につけるべき』だと思っています。

唯一気になる点はヘルメットをつけることで安全性に逆効果をもたらすという意見ですが、それこそエビデンスが不足しているためあまり納得感を感じられませんでした。

少なくとも外傷から守ってくれるカバー率が上がるのは確かなので、よくわからないならば付けておいた方がいいのでは?という感覚です。

通勤の場合、場合によっては毎日往復2時間近く、それも交通量が多い時間帯を走ることになるので、当然その分事故に遭う確率は高まります。

一度実際に事故ったことがある身(かつ頭が血だらけになった身)としては、交通事故は決して他人事ではないと思っています。

自転車通勤の交通事故の体験談を紹介。気をつけるべき3つのポイント自転車通勤の交通事故の体験談を紹介。気をつけるべき3つのポイント

ただし『短距離の場合は付けないときもある』『グレードは求めずなるべく安く』というスタンスです。

手軽に乗れることも自転車の魅力の一つだと思うので、その辺は『リスク』と『楽さ』と『コスト』のバランスを自分なりに取っていけばよいかと思います。

休日にちょっとそこまで、という場合僕は基本ジーンズ&ノーへル&素手ですし。

ちなみに個人的には怪我の頻度を考えるとヘルメットよりもプロテクターやグローブのほうがより重要だと思います。

事故経験者が語るロードバイクでの自転車通勤のプロテクターの必要性事故経験者が語るロードバイクでの自転車通勤のプロテクターの必要性 コスパ重視!春~秋の自転車通勤用のグローブの選び方とオススメ5選コスパ重視!春~秋の自転車通勤用のグローブの選び方とオススメ5選 【恐怖の実体験】自転車通勤におけるアイウェア(サングラス)の必要性【恐怖の実体験】自転車通勤におけるアイウェア(サングラス)の必要性

まとめ

『任意』というのは自由とも言えますが、見方を変えれば自己責任とも言えます。

これから自転車通勤を始めるorすでに始めている人でヘルメットの着用を迷っているならば、本記事をみて『自分自身で』どうするかを判断してもらうことになります。

いずれにせよそれぞれメリット・デメリットがあるのは事実なので、じっくりと考えてみてください。

↓うーん、じゃあちょっと簡単なヘルメットでも検討してみようかな。。。と思った人は以下にも記事もどうぞ!

【JCF&CE】5000円以下で買える公式規格準拠の自転車ヘルメット5選【JCF&CE】5000円以下で買える公式規格準拠の自転車ヘルメット5選

PS.

なぜかロードバイクのヘルメットは荒れやすいネタの様です。

個人的にはバイクのプロテクターなんかも同じような性質だと思いますが、ここまで激しいバトルにはなりません。なぜでしょうね。

4 COMMENTS

sempo japan

ヘルメット効果はプロロードレースのヘルメット導入前後の重篤事故率がわかると証明できるのでしょうね。→どこかにエビデンスはあるはず。

一般路では、軽く頭を打つ確率の方が絶対に多いはずなので、ヘルメット着用時の特殊なケースを挙げてもね。
ヘルメットが自転車を乗りにくくするのは正解。わたしもママチャリではかぶらない。自転車通勤を続けてママチャリでもスピードが出るようになったので、ヘルメットをかぶらないときは、速度をおとして、車から離れて走らないとね。

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秋穂しん

コメントありがとうございます!

>プロロードレースのヘルメット導入前後の重篤事故率
たしかに以前どこかで見たような気もしますね。

>ヘルメットをかぶらないときは、速度をおとして、車から離れて走らないとね。
まったくもって同感です!
装備以上にこういった普段の意識がモノを言う気がします

返信する
秋穂しん

コメントありがとうございます!
こういった情報、非常に助かります!(31年度の情報だと約2.5倍の致死率となっているようですね)

早速記事に追記させて頂きました!

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