ロードバイクに乗りはじめの頃や本格的にトレーニングをするようになると必ずやってくるのが筋肉痛です。
足だけじゃなくお尻や背中、腕、腹筋、首にいたるまで広範囲に発生する筋肉痛。
「なぜこんな所まで筋肉痛になるの?」
「フォームを変えたら筋肉痛がでるようになった」
「筋肉痛になったらロードバイクは休んだ方がいい?」
そんなロードバイクにまつわる様々な筋肉痛の疑問とそのメカニズムについてまとめてみました。
今まさに筋肉痛に悩まされている人もそうじゃない人も、是非一度みてみてください。
ロードバイクによる筋肉痛のメカニズム
ロードバイクによる筋肉痛のしくみについてそもそもなぜ腹筋や首など広範囲に筋肉痛が起こるのか、を考えてみます。
結論は実に単純で『ロードバイクは全身運動だから』というのが回答です。
自転車というのは一見単に足でペダルを踏んでいるだけ、つまり使っているのは足の筋肉だけに思えますが決してそんな事はありません。
実際には腕でかなりの力でハンドルを引いていますので上腕二頭筋に負荷がかかりますし、バランスをとるために腹直筋を常に使っています。
スクワットをやった事がある人は分かると思いますが、お尻の筋肉である大臀筋はむしろ足を鍛える際には切っても切り離せない中心的な筋肉です。
また、ロードバイク独特の前傾姿勢は慣れていないと首元の筋肉である頭板状筋や僧帽筋が緊張し、それが疲労(=筋肉痛)につながります。
どうでしょうか?
ざっとあげてみただけでもあちこちの筋肉をフル稼働しているというがわかります。
そして、かなりのハイスピードで街中を疾走する以上、これらの負荷は決して軽いものではありません。
筋肉痛が引き起こされるというのも納得ですよね。
『筋肉痛は最初だけ』は本当か
人間の体は慣れに強いので、これらの筋肉痛もずっと続けていけばやがてなくなっていきます。
ウェイトトレーニングのように筋肥大を起こすほどの負荷をかけ続けることは(自転車通勤などで普通に街中を走っているだけでは)難しいからです。
ただ、一度慣れてしまえば二度と筋肉痛は起こらないかというとそんな事はありません。
『よりスピードをあげてタイムを短くする』『坂道や峠にチャレンジする』『ギアを重くするor軽くして回転率(ケイデンス)を上げる』といった意識的に負荷を強めればまた筋肉痛は起こるでしょう。
あるいはサドルの高さを変えたりハンドルの前後の位置を調整したりしてフォームが変われば、使われる筋肉の部位や使われ方が変わるので同様に筋肉痛が起こります。
したがってやり方次第で筋肉痛を起こす=より負荷を与えることは可能です。
筋肉痛になったときの正しい対処法
ではロードバイクに乗って筋肉痛が起こった場合の正しい対処法は一体何でしょうか。
こちらも答えは簡単『しっかり食べてしっかり休む』です。
一般的に筋肉痛は『筋肉がそれまでの生活強度を超える負荷を受けたことで損傷し、それが炎症を起こすことで痛みにつながる』と言われています。
すなわち『刃物で皮膚を切って傷がついた』というのと本質的は同じことです。
切り傷ができたら普通は絆創膏などで保護しなるべく触らないようにしますよね。
それと同じで基本は損傷を治すことを重視すべきです。
ただ、筋肉の場合は体の内部なので直接絆創膏を貼るわけにもいきません。
筋肉痛といえば湿布をよく使われますが、これは厳密には根本対処にはなりません。
損傷を治すのではなく炎症をおさえるのが主目的であり、いわば対症療法です。
損傷を治すことができるのはあくまでも人間が持つ自己修復能力しか無いのです。
いかにこの『自己修復能力』を最大限高めるか、という点がポイントになります。
自己修復に必要なものは十分な栄養と十分な休息です。
そう、即ちしっかり食べてしっかり休む、というわけです。
ところで筋肉痛がある間は運動していいの?
筋肉痛が続いている間、ロードバイクによる運動はやめるべきか?という疑問が残ると思います。
筋肉痛がある状態で更にトレーニングなどで負荷をかけるというのは、先程の例で言えば切り傷がふさがっていないのに再度傷つけるのと同じことです。
普通に考えればどう考えてもNGな行為ですが、ことロードバイクの筋肉痛の場合は先程言った十分な栄養補給と休養(≒睡眠)が取れていば運動しても構いません。
というのも、人間の体は傷が塞がるとき以前よりもより強くなろうとする性質があるためです。
例えば野球を続けると最初はバットを握る手に豆ができますがやがて皮膚が厚くなっていきますが、これらも同じ原理です。
そしてそれを応用したのが筋トレによる筋肥大ですね。
筋肉も損傷すると回復したときに以前よりも筋肉の繊維が少しだけ太く強くなります。
そうすることで、より大きな力を発揮できます。
そして更に大きな負荷をかければまた損傷します。コレを繰り返していくことでどんどん筋肉は大きくなっていくわけです。
一般的にこの損傷~回復までのサイクルは48時間~72時間前後と言われています。
しかし炎症による痛み(=筋肉痛)はそれ以上に長く続くので筋肉痛の回復を待つ必要は無いのです。
ウェイトトレーニングのように段階的に高負荷をかけていく運動ではなく、一定レベルの負荷が続く運動なので続けていくことでやがて損傷よりも回復が上回るからです。
まとめ
というわけでロードバイクと筋肉痛の関係性について整理してみました。
改めて二言でまとめると以下のようになります。
『ロードバイクでなぜ体のあちこちに筋肉痛が起こるのか?(→全身運動だから)』。
『筋肉痛になったらどうするのが正しいのか?(→しっかり食べてしっかり寝る)』。
筋肉痛に関する疑問に少しでも参考になればうれしいです。
その為、現時点で正しいとされる方法ではありますが将来的にどうなるかは正直わかりませんのでその点はご了承ください。
おしまい