雨の日には必須のレイングッズですが、その役割が終わったらどうしていますか?
さすがに濡れたまま丸めて放置する人はいないと思いますが、とりあえず干しておいて乾いたら畳んでおわりという人は多いのではないでしょうか。
実はレインウェアを始めとした雨用のアイテムはちょっとしたケアをするかしないかでその性能や寿命がまるで違ってきてしまうのです。
『せっかく高いウェアを買ったけどすぐに水が染みてきてしまった』という話はよく聞きます。
しかし、実はコレはウェアのせいではなく扱い方の問題かも知れません。
ちょっとしたコツを知るだけでグッと長持ちさせられるレイングッズの扱い方についてご説明します。
レイングッズの普段の手入れ、メンテナンス方法
ではレインウェアを例にポイントをひとつずつ見てみましょう。
脱いだら必ず陰干しをする
これはおそらく多くの人が実践していると思いますが、レインウェアを使った後は必ずちゃんと陰干ししましょう。
ポイントは『陰干し』という点です。
レインウェアはその性質上(当然ですが)雨の日の使用がメインです。
つまり太陽の光に当たることをあまり想定していません。従って紫外線による劣化に弱いのです。
黒いシャツを一日中干していたら簡単に色あせてしまったりしまった経験もあるでしょうが、そもそもただでさえ衣類は直射日光で劣化しやすいものなのです。(というか紫外線が非常に強力なんですね)
直射日光にさらされることで生地のコーティングが劣化してしまうので、レインウェアは陰干しが原則です。
また、可能であれば干した後も基本的にはそのままハンガーに掛けて保管した方が寿命は伸びます。
レインウェアは多くの場合専用のポーチに入れて保管するのですが、その際には生地を畳む→くるくるとロール状に丸める→ポーチにしまうという流れになります。
すると畳んだ際に折り目がついたまま長期間保存されることになり、結果としてその部分の生地が劣化し浸水しやすくなるというわけです。
ただ、この様に書いたものの実際にはそこまでシビアには意識する必要はないと思います。
僕自身も目に見えるほどの劣化を感じたことはありませんし、それにずっとハンガーにかけっぱなしでいざという時自宅に忘れてしまった、では意味がありませんからね。
定期的に洗濯する
コレも意外と見逃されがちですが、レインウェアを着た後洗わない人が結構多いようです。
雨に濡れただけなのでそれほど汚れていない様に見えるかも知れませんが、実は表面上には雨で流れきらないチリやホコリ、泥汚れがついています。
それに内側も目に見えない汗や皮脂汚れが付着しています。
例えそれほど汗をかいていないつもりでも、実は相当の汚れがついているものなのですね。
ましてや自転車通勤の場合、知らず知らずの内にかなりの汗をかいています。(これはウェアの性能が良いほど気にならないものです)
そのため、夏場以外でも一度着たら必ず洗いましょう。
透湿性を確保するため、ウェアの生地には目に見えない微細な穴が空いていますが、汚れを放置するとこの穴が目詰まりしてしまい本来の性能を発揮出来なくなってしまいます。
また、生地表面の撥水性の低下にもつながりますので裏表両面から劣化につながっていく可能性がありますよ。
こまめに撥水性能の回復を行う
ダイレクトに防水性能に直結する耐水圧や、快適性に直結する透湿性に比べるとあまり実感しづらいのですが、撥水性能は非常に大事なポイントです。
撥水性が失われると生地表面で水を弾かなくなり、水分が吸着するようになってきます。
そうなると汚れ同様に微細な穴を水の膜で覆ってしまい、せっかくの透湿性が効果を発揮しなくなってしまいますし、さらに汚れも付きやすくなるという負のスパイラルになります。
しかもこの撥水性能は外部からの汚れだけでなく、洗濯によっても低下してしまいます。
でもご安心ください。低下した撥水性は実は熱を加えることである程度回復させることが可能です。
撥水スプレーなどと組み合わせるとさらに効果的ですね。
基本的には洗濯とセットで、以下のような流れでケアするとよいでしょう。
- 着終わったらウェアをネットに入れて洗濯する。
- ごく軽く脱水後、陰干しする。
- ある程度乾いたら満遍なく撥水スプレーをふりかける。
- あて布をして全体をアイロンがけする
これらの手順を踏むことで撥水性はかなり回復するはずです。
万全を期すならば撥水アイテムの王者である『ニクワックス』を使いましょう。
登山家やバイク乗りの間ではあまりにも有名すぎる撥水剤で、匂いがきつかったりとちょっと扱いづらいのが難点ですがその性能はずば抜けています。
僕もバイク用レインウェアに愛用していますが、誤って手についてしまうとまるで油を塗り込んだように暫くの間水を弾いてしまい洗ってもなかなか取れないほどです。
詳しい使い方は公式ページを参考にしてみてください。
参考 EVERNEW公式ページシームテープを補修する
レインウェアの裏地の縫い目にはシームテープと呼ばれる耐水性のあるテープが貼られています。
これによって縫い目からの浸水を防いでいるのですが、このテープはどうしても長期間の使用で徐々に剥がれてきます。
レインウェアを着ていて段々水がしみるようになってきたというときは、シームテープが剥がれているパターンがほとんどです。
特にレインパンツの股の部分は擦れやすく最もシームテープが剥がれやすい場所です。
そのため一般的にはレインパンツの方が雨がしみてきやすいんですよね。
シームテープ自体は安価ですが、貼り付ける際には熱で接着する必要があるためアイロンを使用しなければならず少々面倒なのが難点ですね。
レインウェアを購入した際には必ず裏側の縫い目をチェックしてちゃんとシームテープがぴったりと貼られているかを確認しましょう。
テープがズレていた場合は全く意味がないので、不良品として交換してもらうべきです。
まとめ
というわけで簡単ですが、レインウェアのケアに関するポイントをいくつかご紹介しました。
最後にもう一度おさらいしておきましょう。
- 一度着たらちゃんと洗濯して陰干しする
- 熱を加えることで撥水性を回復させる。撥水スプレーも効果的。
- シームテープは劣化して剥がれやすいのでこまめにチェックする
これらのポイントをおさえるだけでも、手持ちのレインウェアの寿命が大きく伸びるはずです。
慣れないうちは面倒かもしれませんが、何度か繰り返すことで自然と出来るようになるでしょう。
1つのウェアを大切に使うことで愛着もわきますしお財布にもやさしいですよ。
ぜひ実践してみてください。